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まのさば感想

(2025-08-08)

hypeです。


軽度ネタバレ

一目惚れで目視して3分で購入、2回目の裁判が終わった時点でこのADVについて言いたいことができたので書く。

特筆すべきは、大半がダンロン派生として釣られてるはずで、私もそうなんだが、蓋を開けてみれば完成度の高い『魔法少女育成計画』のオマージュが本命に潜ませているということだ。「ダンガンロンパ」は無印ならデスゲームと見做すことが可能だけど、それ以降はデスゲームというよりダンガンロンパというジャンルをやってる感が否めなくて、琴線からは外れていた。ダンロンだと思って期待せずにプレイしたのに、この作品はデスゲームを優先していたのでいい意味で裏切られて好感だった。

魔法少女ノ魔女裁判(以下まのさば)が「魔法少女育成計画」を軸に置いてると思える共通点はいくつかある。

1つは魔法少女モノのデスゲームで女の子だけで争うという点だ。これは言うまでもない。気が付くとキャラの絡みもまほいくと同じ系統だ。

2つは簡潔な能力が挙げられる。浮遊、怪力、治癒、発火など単純な指向性を持つ能力にすることでわかりやすく工夫ですね。

3つはキャラの深掘りのタイミングです。まほいくはバトルで死んだ後にキャラの核心について深掘りを軽くかます。これを自覚的に繰り返すのが演出的に良くて、まのさばも自覚的に繰り返していたので好感だった。しかもダンロンのサイクル(日常→事件→調査→裁判&処刑)でキャラの死を強制的に繰り返し、つまり感情を揺さぶる回想を定期的に挟めるような構造が最初から構築されていた。

Image from Gyazo

だから殺し合いの感情劇をコンセプトに置いてるのかと妙に納得しました。ゲーム性はダンロンだけど、方向性は違う方向を見据えてると思う。

魔法少女とデスゲームをやろうとしてまほいくの出典は否が応でも出てくるから当然かもしれないが、魔法少女育成計画のオマージュとして完成度が高い。しかもまほいくを知らない人にも響いていて、なおかつ根幹を成してるのは反応を見れば明らかでシナリオライターはセンスあるなと思いました。ラノベで育った人の作るシナリオはいいよね。ラノベは高級SSなんで最高

あとシェロと古戸ヱリカの娘みたいな自称探偵がキャラ萌えとして良かった。しかも敬語で怪力でアスペ傾向

Image from Gyazo

ネタバレ

1・2章

まだ佳境ではない。面白いとも言い難いのだけど、地の飽きづらさがあって読み続ける楽しさはある。 完結までやった

逐次的に感想書くの作品のフローを邪魔しそうだったので、最後までやってしまった。 描写が空虚

作品を印象を直球に書く回想が薄い(しかし小刻みに多い)。もちろん楽しい作品ではあるけど、ここに触れないと流石に嘘になる。

デスゲームを題材にした作品共通の問題は最終的な解決はどうするか?ということで、今作品は「説得」という悪い言い方をするとご都合展開だ。といってもこれに正解はなくて、例えば別作品だと「同じ法が黒幕に適用される」とか「そもそも黒幕は死んでいる」とかがあるけど、どれも釈然とはしないなので、ここには期待してないし、舞台設定を取ったときのトレードオフなデメリットだから仕方ない。つまりデスゲーム作品で結末の是非は作品の評価には直結しない。最近のデスゲ作品だと「シグナル200」は結末を解決していて面白かったからオススメ。

説得の方法や過程がかなり薄い。私はエマとヒロとユキがどうやって親交を深めていったのか具体的な描写を読んでほっこりしたかった。人間離れしたユキの挙動を対比してほしかったし、それを二人はどう受け止めるか知りたかった。しかし説明は一切なく「仲が良かった」「いじめを傍観した」など抽象的な背景が列挙される。キャラの回想も「虐待」「いじめ」「長期間の人の社会での潜伏」とは具体的にどうやって?「私はいじめられていたんです」という独白と近似できるキャラを彩る装飾のような回想しかなかった。「いじめを回想する割にいじめっこが人間として出てこない」という点がこの作品の空虚な点だと思う。平面的な色付けで、立体感のある深堀は無い。ユキがいじめで普通に傷付いていたらかわいいと思う!

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なのでエマとヒロが仲良しだったということも半ばそう書かれてるので、そうなんだろう。という理解にしかならない。そういう意味ではシェリーとハンナは関係性にドラマを得た特別なキャラだ。 回想ラッシュ

プロットが上手かったのは素人でも分かった。この作品は短い周期で回想を挟む。さっき起きたイベントや過去のトラウマ、飽きさせないための工夫に満ちていて、終盤は裁判から裁判までの間がかなり短いのでテンポが早い。

この回想ラッシュ(や新キャララッシュ)は異能バトルモノの伝統芸能みたいなもので、そこをちゃんと押さえているので「こういうのでいいんだよ」と思った。前評判を斜め読みしたところ終盤が良いと聞いていたが、序盤から大魔女が出てくるまでが特に勢いがあったと感じる。書いてみて気がついたんだけど、終盤以外は良かった。

特に序盤の王道なワクワク感は良かった。面白いラノベっぽさがある。エンタメ系のラノベは描写を情緒的に描くことで意図を伝えることはそんなにしてなくて、ひたすら高速にプロットを駆動するしているように思う。枯れ葉が落ちることで死んだことを伝えずに普通に「死んだ」と書いて次々行って流れで示す感じ、悔しいけどそれが楽しい。

ヒロに感謝

Image from Gyazo

二周目は死に戻りしたヒロから始まって、秩序と正義に潔癖な強い性格で、一周目でかゆく思った所に一気に触れまくり、無意識に惨劇を回避したり、とにかく爽快感があった。エマでちゃんと進行しつつ遅延された要素が一気に解放され、「正しさ」のためなら平気で嘘をつく性格も相まって、私の好きな「デスゲーム限定の才能」を感じる展開だったので良かったです。特にヒロとノアの関係はいいなと思った。途中で折れたけど

ダンロン

無視できないのはダンロンを意識しまくっていること。私は123プレイしている。広げた風呂敷を一気に回収する召喚の儀式、ヒロの死に戻りとエマの魔女殺し、ここらへんにダンロンをプレイしたときの大団円や変わり種の雰囲気を感じたな。ただ狛枝凪斗みたいなトリックスター、「こいつがいたら何かが起きる」と居心地の悪いキャラは居なかった。最後には希望とか絶望とか言い始めて、パルダンガンワールドかと思った。

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結末について

デスゲームの結末にとやかく言うのは本質的じゃないとは思うけど、まあ大魔女の芯が中学生だった。13対1で精神論で詰めるシーンもあるし、ユキは敵になりきれていなかった。うみねこの魔女を考えるとユキはかなり性格いいですよね。みんなでユキをぎゅ〜〜〜したら解決してしまいそう。

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こうして人間によって魔女は絶滅したのでした。完

エンタメ

縦揺れのゲームで横揺れの奴おる?

二周してキャラ全員を深堀し、事前投票システムで調査パートをカットする。エンタメのために作られた完璧な作品でした。 まとめ

全体としては佳作ラノベとして楽しい。でも細部の空虚さがあるので夢中にはなりきれなかった。特に中心であるエマとヒロとユキの友情にドラマがないので、その他の人間性について詳しく踏み込む気は起きない。ただ予定調和の完成度には目を見張るものがあり、ADVの特有のゾーンに入る感覚はピカイチでした✨️

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以上

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